皆さんが、もし恋人と一緒にパリ旅行をする機会があれば、どんなお店に行きたいですか?
パリにはお財布にやさしい庶民的なビストロから高級レストランまで、美味しいフランス料理を提供するお店は多くありますから、どこをチョイスするかは悩むところですよね。
でも、滅多にない機会ですから、素晴らしい思い出として永遠の記憶となるレストランを選びたいですよね。
そうなれば、やはりエレガントな空間で極上のサービスと料理を提供してくれるミシュランレストランが良いのではないでしょうか!
そしてその中でも、日本ではお目にかかれない新しいフレンチを目指しているグランメゾンでのディナーは、恋人や大事な人との良き思い出になることでしょう。
ここではそんな理想をかなえてくれる、新しいガストロノミーを追究している30歳代の若きシェフが活躍しているミシュラン2つ星レストランである【ル・ムーリス・アラン・デュカス】を紹介していきます。


ミシュラン2つ星レストラン【ル・ムーリス・アラン・デュカス】
フレンチの帝王アラン・デュカスの名前を冠すレストラン
フランスには「フレンチの巨匠」に値するシェフが数多くいますが、世界7カ国に50以上の店を展開し、売上・店舗数で他のシェフを圧倒しているのがアラン・デュカス氏でしょう。
デュカス氏は史上最年少で3つ星を獲得したモナコ国籍のシェフで、異なる国でミシュラン3つ星を獲得した世界初のシェフです。
それ故に彼が「フランス料理の帝王」と呼ばれることにも納得出来ることと思います。
そんな帝王の名前を冠したレストランになっているのが、ミシュラン二つ星「ル・ムーリス・アラン・デュカス(Le Meurice Alain Ducasse)」です。
このレストランは、格付け最高位の「パラス」の称号をもつホテル「オテル・ル・ムーリス」のメインダイニングとなっています。
オテル・ル・ムーリスは1835年創業のパリでも指折りの高級ホテルで、国家元首レベルの賓客をもてなす場としても有名です。


ホテル入り口前にある紋章入りカーペット
ホテル正面

エントランスです。入ってすぐのオブジェが素晴らしいです。奥はファインダイニング「ル・ダリ」で天井はまさに芸術作品です。レストランは入って右側にレセプションがあります。
若き新シェフの目指す新しいフレンチ
- デュカス氏は2020年春にレストラン新シェフとして、当時33歳のAmaury Bouhours(アモリー・ブウール)さんを任命しました。
- 新シェフはモナコの 三ツ星 レストラン「ルイキャーンズ」で料理人としてのキャリアを開始し、その後に アラン・デュカス 氏の薫陶を受け、今回の大抜擢となりました。
- デュカス氏はアモリーシェフのことを「自分にとって素晴らしい模範」だと称えており、いかに彼の才能に惚れ込んでいることが伺えます。
- シェフは食後にタイミングを見計らって、一つ一つテーブルを回りお客さんと丁寧に話していました。
- 我々のテーブルにも来てくれて、料理に対するシェフの考えを話してくれました。
- 彼の料理に対する熱意が伝わってきて大変感動しました。
- それとイケメンでカッコいいです。
- 写真も一緒に撮ってくれました(シェフだけの切り取りでごめんなさい)。

- 新シェフはミシュランレストランだからといって価格が高かったり、見た目が整った食材だけを使うわけではありません。
- 食材を尊敬し、食材を余すことなく使用して美食までに昇華させています。
- 例えば、魚は食卓の主役として「身」を使うのは当たり前ですが、「あら」も出汁にするなど時間と手間を惜しみません。
- また、以前のミシュランレストランのテーブルには登場しなかった「ビーツ」といった食材もためらいなく使います。
- さらには、ソースや添え野菜に酸味や苦味などを活用し、なかなか体験できない味を提供しています。
- 素材の組み合わせもおもしろく、「牡蠣にブドウのスライス」、「冷製タイにスモークヨーグルト」といった美味しさと創造性を同時に生み出してもいます。
- また、シェフだけでなく「世界一のパティシエ」と言われるセドリック・グロレ、メートル・ドテル(給仕長)のオリヴィエ・ビカオ、ソムリエのガブリエル・ヴェセールも皆30代ということですから、このレストランは無限の可能性を秘めています。
- この若きチームがパリの歴史ある美しきパラス・ホテルのレストランに新しいガストロノミーの息吹を吹き込んで、さならる進化をフレンチにもたらすことは間違いないでしょう。

ヴェルサイユ宮殿でのディナー感覚になるラグジュアリーな空間
- パリの重要文化財にも指定されているこのダイニングルーム。
- まさにヴェルサイユ宮殿の平和の間で貴族気分で食事をするようなシチュエーションです。

- 見事な大理石の柱、伝統的な美しいフレスコ画や天井画、クリスタルのシャンデリアなどがに囲まれた最上質の空間です。
- そして現代の著名アーティストによるモダンな装飾品をミックスしており、間違いなくパリで1、2を争うラグジュアリー感を味わえる空間です。

- 日本では出会うことの出来ない「歴史と美しさを体現した空間」なら、恋人と永遠に共有できるロマンティックな思い出を絶対に作れます!

新しい時代のガストロノミーを体現した料理
- では、訪問時の新シェフの料理を紹介していきますのでお楽しみ頂ければと思います。
- メニューはコース料理のみで前菜・魚料理・肉料理から3品(下の写真のDECOUVERTE MENU)もしくは5品(下の写真のCOLLECTION MENU)を選ぶというシステムです。
- もし、最後まで美味しさを実感したいと彼女が望むのなら、3品コースの方が無難かと思います。
- もちろん、完食できなくても5品コースの方が彼女にとって幸せなら、それもありですよね!
- ビックリしたのはホールスタッフがはじめに「フランス語と英語のどちらがよろしいですか?」ろの質問がありました。
- 「さすがミシュランの高級レストランは違うなぁ~」と感心した次第です。

- 具体的なメニューは以下のとおりですが、羽みたいなマークが付いている料理は野菜バージョンもあるみたいです。
- 野菜の一品は日本ではあまり経験できない食材もあるので、それを二人で楽しむのもありですね。
- 前菜は2つ目のノルマンディー産の鯛(sea bream)の料理を選びました。折角フランスに来たので地元の素材を食べたかったからですね。
- 魚料理は1つ目のBlue lobsterを。Blue lobsterはフランス特産の高級食材で会うことが始めてでしたので。
- 肉料理は2つ目の鹿肉(Venison)を。なんせジビエ好きな私なので・・・


最初にスパークリンワインを注文して、まずはユックリとくつろぎます。

左にあるアミューズ・ブーシュには「鶏の足の揚げ物?」と意外性を感じるところから始まりました。シェフの自由に表現する料理の旅の始まりです。

- バケットトロリーです。このレストラン特選のバケット、クラシカルな白粉バケット、アンエピスバゲットから好きな物を選べます。
- 迷うようでしたら、特選バゲットを是非選んでみてください。期待を裏切らないと思います。

アミューズ1品目。右側のキャビアは下地のタルトとの相性が抜群でした。

アミューズ2品目。

- アミューズ3品目。蓋をされた蒸し器な様なものが運ばれきました。
- 蓋を取ると湯気orドライアイスが昇華したものが湧き出る演出にビックリです。
- 中には軽くポシェ(ユックリとに煮込む)牡蠣がありました。

- そして牡蠣はフランス産ジントニックのシャーベットで覆われていました。
- さらに、スライスしたブドウが牡蠣の上に載っています。
- 素材の新たな組み合わせにより、今までのガストロノミーに無かった新しい料理を創造しているシェフの凄さがこの料理から伝わってきます。

- 前菜のノルマンディー産の鯛料理ですが、鯛と野菜のバランスがよく両者の味を上手に引き出しています。決して魚の主張が強いわけではありません。
- 野菜には「ビーツの根」や「バラの果実」といった食材を使用してますが、これは環境に留意する生産者から提供されたものをシェフが厳選しています。
- こういったところにも「新しいガストロノミーを追究」しているシェフの姿勢を感じられます。

- 上の写真で魚の上に僅かに白い物が見えると思いますが、これはスモークヨーグルトで今までに経験したことのない味の組み合わせでした。

- 魚のメインは「クリスピー・ブルーロブスタ-」の名の通り、サクサクの鱗のような衣がオマール海海老覆っており、ウットリするほどの極上のサクサク感でした。
- さらに、高級食材であるオマールブルーは、プルプル感が最高で甘味も濃厚で、 「青い宝石」と呼ばれている所以を理解できました。
- ソースはオマールをベースにしたビスクでマッタリと少し甘みを感じましたが、隠し味としてカルダモン(ショウガ科に属する多年草。種子はスパイスとして使われ、甘くエキゾチックでありながらも清涼感のある香りが特徴)を使用しており爽やかさも感じます。
- 付け合わせ野菜の上に載っているはナスタチウム(Nasturtium)の花と葉で、ワサビのような爽やかな辛味があり、オマールに香り付けをしてくれます。
- 付け合わせ野菜にしても余すことなく使用していることには驚きです。
- お皿は日本人の器作家の「イイホシユミコ」さんのシリーズを使っているとのことですごく嬉しかったです。


- 鹿肉料理は柔らかい肉で美味しく、上にはキャビア、イカ、野菜のソレルが載っていました。
- ソースはクラシカルなものではなく、酸味が印象的な今までに体験したことのない深みのある味わいでした。
- キャビアはKristal(クリスタル)という種類でデュカス氏が好むキャビアだそうです。
- ソレルの葉は少し酸っぱさを感じますが、赤い葉脈がはいっていて小さめなので、料理の飾りにしばしば使われます。
- シェフがテーブルに来た時に料理について「ソースの出汁には魚のアラの部分をハーブの煙でスモークしたものを使って、旨みをだすことに意識した」という話をしていました。
- また、「出汁」及び「旨み」という言葉をフランス人シェフが使うこと、さらにはフランス語でも「ダシ」及び「ウマミ」という発音をすることにも驚きを覚えました。

フロマージュも頑張っていただきました。やはり、美味しい!!

フロマージュ専用のフォークとナイフです。小さくてカワイイです。
- デザートは「世界一のパティシエ」と言われるグロレ氏のものです。
- ナプキンもデザート用の可愛らしい刺繍の入ったものに取り替えられました。
- この粋な計らいに彼女もきっと喜ぶことでしょう。


- Babaと呼ばれるワインのコルク栓に似た形状のフランス名物の焼き菓子です。
- ラム酒風味のシロップをしみ込ませたケーキとなっていました。

- イチジクの葉をイメージしていて、マダガスカル産のバニラビーンズとココアビーンズを使用しています。
- フランスのデザートと言えば「甘味」が定番かと思いますが、2つとも酸味の方が印象に残るデザートでした。

- 最後のは黒ゴマと白ゴマがまぶしてある小菓子でした。
- パリパリ感のある甘いお菓子で美味しかったです。

- お土産にアラン・デュカスのチョコレートを頂きました。
- こんな素敵なプレゼントのあるレストランなら、彼女の満足した笑顔を見られますね!!

まとめ
- パリで恋人から「経験したことのない新しいフレンチを食べたい!」とのリクエストがあれば、ミシュラン二つ星の「ル・ムーリス・アラン・デュカス」は絶対に外せないですね。
- ポイントをまとめると以下のとおりです。
- このレストランに行って是非とも恋人と記憶に残る幸せな思い出を作ってください。
お店情報(2023年4月現在)
メニュー(ディナーのみ)
- DECOUVERTE MENU(300€):前菜・魚料理・肉料理で3品。チーズ。デザート。
- COLLECTION MENU(360€):前菜・魚料理・肉料理で5品。チーズ。デザート。
営業日・時間
- 月曜日~金曜日
- 営業時間:19:00~
住所・電話番号等
- Le Meurice, 228 rue de Rivoli, Paris, 75001
- Tel: +33 1 58 00 21 19
- E-mail : restaurant.lmp@dorchestercollection.com
- ホームページ:https://www.alainducasse-meurice.com/fr

